デジタル革新の波を捉える | Protiviti - Japan

デジタル革新の波を捉える

デジタル革新の波を捉える

Catching the digital wave

近年、デジタル化とそれが世界にもたらす影響について多くのことが語られています。 デジタル化への取り組みの多くは、ソーシャルメディアから生じるリスクに対応し、またそれを活用し、モバイルデバイスやロケーションサービスを使用するためのクリエイティブな方法を模索しながら、様々な方法で顧客と関わり合おうとしています。  数多くの企業が、顧客や組織へより価値の高いものを提供するためにベーシックなテクノロジーをうまく使用しようと努力を続けています。 非常に大きな影響を受ける業界は少数であり、他の多くの業界にとって、その影響力は僅かであると認識されているかもしれません。

破壊的技術によって悪影響を受けた企業の例を見ることができる一方、急進的に変化を続ける企業として、小売業のAmazonやeBay、我々のメディアコンテンツを消費する方法を一変させたNetflix、SpotifyやApple、旅行を計画する方法に変化をもたらしたTripAdvisorやExpedia、ごく最近のAirbnb、商品の支払い方法に影響を与えたPaypalとApplePay、そして現在は影響が小さくなったとも言えますが、Bitcoinなども挙げられます。

これらの変化がもたらした影響は劇的なものであったため、長い歴史を持つ身近なブランドの多くがこの過程で消滅してしまいました。 しかし、これらの例はもはや単独のものではありません。 見解にもよりますが、素晴らしく、または懸念すべき真実は、デジタル革命は始まったばかりであり、変化のペースが急速に加速しているということです。

変化の第一の波は、今世紀の変わり目に起きたドットコム・ブームでした。 消費者がテクノロジーを大量に導入したことと、デジタル化された環境で育った世代が自分の判断で消費できる能力を持ち、様々な期待を持つ消費者となったこと、銀行危機と世界的な景気低迷の後に訪れたグローバル資本などにより、どのような企業も変容しなければ生きていけない状況になりました。

この影響を受けていない業界はありません。 ウェアラブルテクノロジー、自動運転車、「モノのインターネット」、ロボット工学、ブロックチェーン、バイオメトリクス、ドローンやナノテクは、将来のリーダーとなる人たちが現在使用するために見つけたクリエイティブな方法のほんの一部です。 これはダーウィンの進化論に似ているという人もいるかもしれません。これらの初期の導入は、最終的に私たちが人類として交流する方法を改革し、テクノロジーとの相互関係と相互依存を深める、実世界の破壊的なアプリケーションへと時間をかけて変化します。

ロボット工学と人工知能の利用により、過去数百年かけて作り上げた政府による企業からの税金徴収方法のようなものが、今後3世代以内に根本から変わるでしょう。 この地球上の優占種の富の配分全てが影響を受けることになります。

今日の課題や次の四半期決算に焦点を当てている数多くの企業のリーダーにとって、不確かな将来の計画を立てるのは難しいことです。 明らかに将来性がある新たなテクノロジーを幹部が認識している場合でさえも、変化の性質やその変化がどのような影響を及ぼすのかを予測するのはたいてい困難です。

しかし、ビジネスが今日直面している最大のリスクの一つは、デジタル革命に関して言えば、現状に満足してしまうことです。 企業のリーダーは、何が起こっているかを認識し、それに対応する必要があります。 組織は「革新するか滅びる」必要があると、ますます言われるようになっています。リーダーは、新たに登場したテクノロジーがもたらす機会をどのように活用するかを考慮しなければいけません。 これを怠ると、その企業は競争相手や新興企業にさらされて、現状を維持するのが困難となります。

最終的に、これは適者生存の世界なのです。

デジタル化の機会への対応

デジタル戦略の考案

デジタルテクノロジーについて、またそれがあなたの企業にとって何を意味するのかについて、どのようなお考えをお持ちであろうとも、組織内でトップの役職を務める誰かが責任をもって、競争状況、新しく登場したテクノロジーがもたらす機会、および既存の収益源への脅威を理解しなければいけません。 企業は、既存ルールの破壊者となって革新者としてリードを取るのか、もしくは待ちの体制で競争状況を見守り、市場のシェアを守るために必要なときだけ対応するのか、に関して意識的な決断を下す必要があります。 多くの企業にとって、その答えはおそらくこの2つの間のどこかで見つかるでしょう。

自分が飛び降りられるようにと砂に頭を埋めて世界の回転が止まるのを祈るのは論外としても、デジタル戦略に関しては正しいものも間違っているものもないのです。それは、変化のスピードが速すぎるからです。 デジタル戦略を開発するために行われる決定には、組織の文化、リスク許容度および投資能力が反映されるでしょう。 1つ確実なことは、デジタル戦略は意識的な決定である必要があるということです。 デジタル戦略の設定とレビューは、通常の業務の一環でなくてはいけません。 経営陣は、その組織のデジタル戦略を担当するチームから定期的な状況説明を受けていることを確認する必要があります。 そのビジネスが営業している市場や競合他社の状況を分析し、シナリオの計画を策定するための研究を使用することが重要です。

デジタル変革の管理 

その戦略がいかに優秀であるかは、その実行により決まります。 ビジネス変更プログラム、特にテクノロジーに関わる変更プログラムの成果を出すために、組織で繰り返される失敗に関して多くの論文が発表されています。 これらのレポートの多くで、成功がコスト、納期の適時性、そして何よりもまずメリットの実現に関して測定されるのならば、成功のレベルは50%よりずっと低いと報告されています。
また、デジタル変革とイノベーションの違いを理解することも重要です。 イノベーションは、「テストし、全く進歩がない場合は、早めに失敗しろ」という言葉に要約されるアプローチを導入しています。デジタル変革は、事業を再配置し、合意を得る戦略を達成するための旅のようなものです。

ほとんどの組織にとっては、デジタル戦略の実行は今後数年間で最も重要な取り組みとなり、その実行に失敗するとブランド認知において非常に明らかで持続的な影響を与える可能性があり、純利益および組織が生き残り繁栄する能力にも影響を及ぼすのは言うまでもありません。 よくあるレベルの成功率では、この重要な取り組みにおいては許されません。

さらに悪いことに、デジタル変革のプログラムを開始した場合、最終段階になって不安定になったり、最終目標が変わり続けたりします。 終わりの状況に関して明確さが欠けていることが、多くの場合、伝統的なプログラムにおける失敗の最大の原因の一つとして挙げられます。 革新プログラムとは、「狙って、撃って、あとは幸運を祈る」ということではなく、操縦し、途中で軌道修正を行い、第1目標と第2目標を明確に定めることが必要となります。

経営陣は、デジタル変革がもたらす潜在的影響を理解し、開始されたデジタル変革プログラムおよび/またはプロジェクトを成功させるために必要なあらゆる措置を講じることが重要です。 特に重要な点は、プロジェクトに取り組んでいるのが適任者であるか確認することです。 これには、指導者がいくつかの困難な決定を下し、現在の役職から最適な人々を数人移動させることが必要となる可能性があります。この移動が短期的な影響をもたらす可能性があることを認識しながらも、彼らがデジタル革新プログラムにかなりの時間集中できることを可能にしなくてはいけません。 従業員が正しく配置されると、これらのプログラムにより、将来のリーダーシップチームを育成するプラットフォームができあがります。

おそらく、貴社の事業を革新するために再配置できる適切な人材がいないと気づくことは何よりも難しいことです。 現在持っている固定観念とともに過去10~20年間を過ごしていたら、どのようにして将来について計画できるでしょうか?独創的に思考し挑戦することと、事業の再配置に対する実際的な考察とのバランスを取る必要があります。

また、デジタル変革プログラムに十分に集中しそれを維持するためには、幹部チームが積極的に参加し、組織の適切なガバナンス体系を、時間をかけて制定することが不可欠です。

イノベーション文化の構築

多くの企業にとってもう一つの重要な課題は、イノベーション文化を構築することです。 先に述べたように、将来のリーダーは、新たに登場した素晴らしいテクノロジーを用いてクリエイティブな方法で革新しながら既に進化しています。 多くの場合、これらのテクノロジーがどのように利益をもたらすかということに関して、彼らは必ずしも明確な見通しを持っているわけではありません。 実際のところ、彼らが試しているテクノロジーは将来大きな影響をもたらすであろうという直感でしかないでしょう。 革新に関連するいくつかの取り組みは成功するでしょうが、失敗するものもあるでしょう。 しかし、未知のことを試す意欲や熱意さえもなく、破壊者となり、明確な見通しを持つことは不可能なのです。

これは、テクノロジーの先駆者、ベンチャーキャピタル企業や科学界で事業を運営している多くの企業など、一部の組織にとっては非常になじみのある世界です。 長年にわたり、製薬会社は、自身の研究プロジェクトの少なくとも大半が失敗することを見越して、革新に巨額を投資しています。 常に重要なことは、アクティブなプロジェクトのポートフォリオを作成し、その全体の成功率を把握することでした。 また、小さいライフサイエンス企業のインキュベーションファンド、投資および買収も、リスク管理アプローチにおいて非常に重要な要素です。

実験と失敗が共存するこの世界は、多くの組織にとって未知の世界です。 実際に、Google、Microsoft、AppleやFacebookのような組織が利益を直ちにもたらすとは思えない企業に巨大な投資を行うと、多くの人々はすぐに困惑します。 しかし、これらの組織の中では、考え方が大きく異なっているのです。 幹部は、破壊的な起用により将来のある時点で革命的なことが間違いなく起きると考えているのです。
最近大々的に宣伝されている自動運転車を例にとって考えてみましょう。 これは新しいものではありません。 数年前、米国の軍隊が 何年もの間これに投資し試験を繰り返してきています。 これは、単に米国の軍隊の研究費が 商業界へと適用されただけのことです。 国防高等研究計画局(DARPA)を介して1960年代初頭に誕生したインターネットに関しても同様のことが言えるでしょう。

文化的な変化は非常に困難であり、結果としてほとんどの組織にとって、この変化は革命とは対立するものとしての進化となるでしょう。 これは、方針、手順及び報酬算定構造の中に多くの場合無意識に含まれる、革新への障壁を理解することで始まります。 通常、非革新的でリスク回避型の文化では、リスクの高いプロジェクトはプロジェクトのガバナンスの要件に準拠しないため拒否されます。 ベンダーによるデューデリジェンスに関するポリシーにより、テクノロジーの新興企業とビジネスをすることは不可能になります。 ITのポリシーや基準、特にセキュリティに関するポリシーや基準があるために、従業員と製品チームが新たに登場したテクノロジーを実験することは、不可能ではないにしても、非常に困難になってしまいます。 おそらく最も重要なことは、失敗したプロジェクトに関与していたということがキャリアを大幅に制限する原因として見られることがあり、このためトップの従業員の多くが関与するのを回避するということです。

イノベーションの文化を育てるために、経営幹部のリーダーシップは、組織内のこれらの基準の変更を始める必要があります。 リスクの高いプロジェクトは奨励されるべきであり、良い結果につながらなかったプロジェクトや実験は失敗ではないと理解することが必要です。 また、組織は、デジタル化の最前線にある第三者テクノロジー企業との関係を構築するのを奨励する必要があります。 ITのポリシー、基準および手順は、それらが従業員によって導入された新しい革新的なアプローチを適切に受け入れているかどうかを査定するために再評価されるべきです。 アイデアが必然的に成功につながらないときに、従業員が罰則やキャリアの成長が制限されることに関して恐れを抱くことなく、クリエイティブに考え革新するために安心感を持ち、権限を与えられていると感じられる必要があります。

業務機能上の革新の達成 – 内部での開始

ビジネス戦略を開発するとき、顧客に対して直接的な目に見える影響がない、重要なデジタル変革の機会が組織内に存在することを覚えておくことが重要です。 一部の組織にとって、最初にこれらの機会のいくつかに焦点を当てることは、デジタル化について考え始め、イノベーション/デジタル文化を取り入れるのに、負担の少ない方法となり得ます。

従業員の関与を向上し、繰り返しする作業を簡素化および/または自動化し、共同作業を改善し、または苦痛であると考えられている内部の作業(例えば、経費報告書の作成など)を簡単にするために、企業内でテクノロジーがどのように使用されるかについて考えることから始めるのが最適でしょう。 組織がテクノロジーをどのように取り入れるかにより、従業員や顧客のその組織に対する見方が変わります。  

ほとんどすべての組織において、より賢く作業する方法が数多くあり、その気になれば従業員はアイデアに尽きることがありません。 たとえば、モバイルデバイスをよりクリエイティブに使用する方法はないでしょうか。まず、ロケーションサービス、カメラ、音声認識や文字認識を活用し、さまざまな方法でアプリケーションと関わり合うことができます。また、ノートパソコンの代わりにタブレットを使用したり、共同で作業するためにOneNoteやOffice 365のようなツールを導入することもできます。さらに、Skype for Businessのようなツールを使用してビデオ通話を行えば、よそよそしい電話会議を避けることもできます。

デジタル革新の旅を始めるその他のかたちとして、管理情報を強化するための次世代のデータ分析およびデータ可視化ツールも挙げられます。 例えば、取締役会で使われる静的な議事録の代わりに、タッチスクリーンで動的なレポートを使用することで、変革をもたらすことができます。

これらは、初歩的な例の一部にすぎません。 最新のテクノロジーを利用してビジネスプロセスを再設計することで、従業員、特に若手社員の雇用や純利益に大きな影響を与えることができます。

興味深いことに、研究によると、デジタルソリューションにおける投資で最も重要な推進力は、顧客と関わり合う新しい方法ではなく、現在の業務の効率化を図ることです。

最後に

ほとんどの企業が重要な変化を達成するためにその企業の歴史における他の努力に基づいて理解しておく必要があるのは、デジタル変革に関しては目的地よりもその旅の過程がより重要だということです。 なぜでしょうか。それは、デジタル化に関して言えば、一つの目標に到達するやいなや、さらなる目標が現れるからです。 組織にとって最も重要なことは、道端に座っていないで、その旅への一歩を踏み出すことです。 また、その旅を正しい基盤要素が備わった状況で始める必要があります。例えば、堅実なデジタル化戦略、戦略に焦点を当て実行するための最適な人材を採用するなどの十分に理解されるガバナンス体系、革新を育む文化、初期のデジタル化を達成するためのコミットメントなどによって、組織内部が主導権を取り始めます。 

このアプローチを採用することにより、組織はデジタル革新の波に乗り、自信を持って未来に向き合うことのできる、より良い位置に立つことができます。 

デジタル化に対するプロティビティの焦点

プロティビティは、デジタル化によってもたらされた課題や機会を評価し対応することができるように、世界中の組織を支援しています。 プロティビティは、お客様に新たなテクノロジーがもたらすリスクや機会についての理解を深め、これらのテクノロジーを利用して業績を向上させる方法をクリエイティブに導き出すのをお手伝いさせていただきます。

業績向上の鍵が、顧客エンゲージメントの改善、製品のデジタル化および新しいビジネスモデルの探索、意思決定の向上、もしくは単に事業の効率化のいずれであっても、弊社はお客様がデジタル戦略を実現されるのを支援します。

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